私たちの想い

1. かるがも達の子育てエリア

かるがもの親子

港区港南3丁目計画(計画概要はこちら)において、高層マンションの建設が計画されている場所は、かるがも達が子育てをする自然豊かな川辺です。

 

そして、その愛らしい姿を見守ることは私たち近隣住民の毎年のささやかな楽しみでもあります。

 

この川辺は元は静かな駐車場でした。

高層マンションの建設により優しい風と日光、そして自然豊かで静かな環境が失われてしまっても、かるがも達は落ち着いて子育てができるでしょうか?

 

かるがも達の子育てエリアを守るのは人間の役目だと私たちは考えます。


2. 風の道・緑と水辺のネットワークが交差する場所

東京都が定めた「品川駅・田町駅周辺まちづくりガイドライン2020」(ガイドラインはこちら)では、建設予定地は「海と風のゾーン」にあって「風の道」、「緑のネットワーク」と「水辺のネットワーク」が交差する重要な場所にあたります。

 

そして、近隣住民もそのコンセプトを支持し、尊重してきました。

 

地域の住環境や景観形成の要ともいえるこの川辺に高層マンションを建設することで、自然な海風を遮り、緑や水辺のネットワークを途切れさせてしまうことは、果たしてこの街のためになるのでしょうか?

 

将来ここで暮らす子供たちに、より良い環境を受け継いでいくために、その場所で暮らす人々が中心となって街の将来像についてしっかりと議論する必要があると私たちは考えます。

 

なお、「品川駅・田町駅周辺まちづくりガイドライン2020」は、この地域内において都市開発諸制度等を活用する開発について上位計画と位置づけられています。

当該エリアの景観形成戦略(クリックして拡大)

(出所)「品川駅・田町駅周辺まちづくりガイドライン2020

    Ⅲ.将来像実現のための7つの戦略 p.28


3. 総合設計制度を利用した高層マンション建設は不適切

総合設計制度の概要

  • ・総合設計とは、一定規模以上の敷地面積及び一定割合以上の空地を有する建築計画について、その計画が、交通上、安全上、防火上及び衛生上支障がなく、かつ、市街地環境の整備改善に資すると認められる場合に、各特定行政庁の許可により、容積率、斜線、絶対高さの各制限を緩和する制度です。(なお23区内においては、延べ面積(棟単位)が10,000平方メートルを超える場合は都、10,000平方メートル以下の場合は各区での許可となります。)
  • ・その目的は、建築敷地の共同化、大規模化による土地の有効かつ合理的な利用の促進と、公開空地等公共的な空地・空間の確保によって、市街地環境の改善を図ることにあり、都では許可基準として「東京都総合設計許可要綱」を定めています。
  • ・総合設計には、「一般型総合設計」、老朽共同住宅の建替え促進を目的とする「共同住宅建替誘導型総合設計」、住宅の量的拡大から質の向上への転換を目的とする「住宅供給促進型総合設計」があります。

港区港南3丁目計画は、東京都の住宅供給促進型総合設計制度(制度の情報はこちら)を利用することによって容積率等の制限緩和措置を受け、高層マンションを建設する計画です。

 

総合設計制度とは、市街地環境の改善に寄与する良好な都市開発の誘導を図るために、容積率や斜線制限などの建築基準法に定める形態規制を緩和する制度です。

港区港南3丁目計画においては、本来認められる400%の容積率に800%もの割増容積率を追加することにより、地上28階建ての高層マンションを建設する計画になっています。

 

上記のように、この川辺に高層マンションを建設することは、かるがも達の子育てエリアを奪うことにつながり、東京都や近隣住民の考える街の将来像に合致しないため、市街地環境の改善には寄与しないと思われます。

 

したがって、近隣住民との十分な議論もないまま総合設計制度を利用してこの川辺に高層マンションを建設することは不適切だと私たちは考えます。